1話

お母さんは、おじ様から一軒家を当てがられていたわ。
 私達親娘はそこに住んでいた。
 畳ばっかりの、日本風お屋敷(間取りで言うと5DKになるかな?)結構広い敷地に、お手伝いの女の人が二人。
 閑静な住宅街で、私達親子は浮いた存在だったのかも知れないね。


 近所のお母様方は、「あそこの家の子と、遊んじゃダメ。」だって、言ったらしいの。
たまにしか行けなかった幼稚園に、顔を出した時に、友達に言われてショックだった。
 私、心臓に欠陥があって、外に遊びに行けない事が多かったでしょう。それもあったのかなあ。
 あんな事を言われてから、ほとんど不登園児になっちゃって、小学校に上がっても、ほとんどそれは変わらなかった。