3話



  だから、庭の縁側でぼんやり日向ぼっこしていて、突然、ガサゴソって葉っぱがおどりだして、姿を現した少年を見た時は、びっくりしたわ。
 全然見覚えない男の子で、彼もびっくりした顔をしていた。
 今まで走ってきたって感じの、真っ赤なほっぺが印象的だったわ。
 真っ黒に日焼けした健康的な体躯に、キラキラ輝く瞳を躍らせて、口を開いた言葉がこれ。

「あっびっくりした。人間だったんだ。」
(幽霊にでも見えたってわけ?)
 何て言い草なの?って、さすがの私もその時はそう思った。